神は細部に宿る
タクシーにおけるお客様との出会いのカタチと言うのは実に色々あります。
以前は「流し」に注力していた時期があり、その頃の出来事を二つばかり。
「流し」は同業他社さんのみならず同じ会社の営業車も「敵」とみなします笑
前に他社さんだろうと同じ会社だろうと車間を空けることがセオリーなのですが、ある時、同じ会社が前を走っていて100m以上の間隔で走行しているとバス停付近に1人の若い女性が視界に入ります。
(まごう事なきタクシーを所望のかた‼️)
「ああ、前の車に乗られるか。。。」
と思った瞬間、なんとなんとスルーされました!
「え⁉︎ 何で?」となっていたところ私の車に手を挙げられます。
たまらず「つかぬ事をお尋ねしますがナゼ前の空車に乗られなかったのですか?」と聞きました。
すると「前の空車の後ろに原付が走ってて、このまま手を挙げたら危ないと思って…」
何と気遣いの素晴らしいお客様なのでしょう。
空車時は基本的に左車線を走りますが、やはりバイクなどが後方にいる時はすごく神経を遣います。
プロドライバーの度合いを測るのは絶えず後方を見れているかどうかにあると自信をもって言えます。
自慢ではありませんが私は絶えず見れています。コレは完全に身についているのでバイクが私の車に張りつくようにいれば減速して先に行かすようにしています。
また、ある深夜、お酒を召し上がった方をゲットするべく祇園の大和大路(やまとおおじ・北向き一方通行)に入ります。
この時、ただでさえ狭いのに左側に一般の停車車両が3台ばかりありました。
前には同じ会社の空車が。
そこへ飲み屋さんから出てきた男女が乗ろうとしますがドアを開けようにも停車車両との間隔が30cmほどしかなく、また右にハンドルを切ろうにも前の車につけすぎてそれも叶いません。
その光景の一部始終を
「お〜、頑張って自動ドアをパカパカしたはるけど、どう考えても乗せれへんなぁ。」
と冷静かつ期待感をもって見ていました。
その男女はすぐに私の車へ。(そうなります。当然)
前の車は、そのまた前の車&停車車両いずれもの間隔を考えず停めた結果、大事なお客様を逃すことになったのです。
左右には飲食店ひしめく言わばホットポイント。しかも信号が変われば進行せねばならない条件下ともなれば細心の注意を払わなくてはならないと言う見本のような場面でした。
どうやらタクシーの神様はあらゆるアンテナを張り巡らしている車にはアドバンテージを授け、そんな事お構いなしの車には簡単にソッポを向かれるシステムを採用されているようです。
この先もタクシーの神様に嫌われること無きよう精進してまいります。
掛見