痛恨の…
6/4の「時代は変わる」でも触れておりますが、アプリ配車や無線配車では乗車前に行先が出ることもあるのでドライバーの負担は軽減していることは確かです。
一方で、乗車されてから言われるケースもまだまだ多く、それを聞き、復唱をしつつ目的地へ向かいます。
最初にこの基本的な事をおろそかにすると思わぬ代償をはらうこととなります。
よくあるのが「聞き間違い」・「カン違い」
①金閣寺と銀閣寺 (日本の方でも「ゴールド(シルバー)ですね?」と言います)
②二条と四条 (ニジョウ・シジョウは紛らわしいのでヨンジョウと言い換えて対応しています)
③第一日赤と第二日赤 (場所が全く違うのとお客様も混同されてる場合があるので「府庁(または泉涌寺)のほうですね?と確認します)
④西大谷と東大谷 [ 大谷本廟と大谷祖廟 ] (上記と同じ理由で「東山五条(または円山公園の奥)ですね?と確認)
⑤ホテル (アパホテルさんは京都駅周辺だけで5軒、三井ガーデンホテルさん市内4軒、ダイワロイネットホテルさん市内3軒などを認識しておかないと間違えます)
⑥府立(医大)病院と府立大学 (「そんなん間違うか?」と言われそうですが私は間違えました)
⑦今熊野と熊野神社 (熊しか合ってませんが同じ東大路通りで、けっこう勘違いしてしまうのです。本当です笑)
私は実際⑤⑥⑦でやらかしています。
ほかにも旅館の「松栄(しょうえい)と言われ「いしちょう」へ向かったことがあります。うろ覚えも痛い目に遭います。この時はお客様の指摘により3分の1の時点から修正できたので救われました。
⑥⑦はいずれも正解の方が遠かったので傷を負うことはなかったのですがプロとしてやはり恥ずべきことだと思いました。
上記はまだ許容範囲と申しますか、リカバーがまだ容易です。
(だからといってミスが許されるいうことではありませんが)
私が聞いた中で強烈なもの2題をお届けします。
【その1】
祗園から男性1名が乗車され「カシマまで行って。」と言われるなり寝てしまわれ、その付近に着いたので
「お客様、カシバに着きましたけど、あとどう行けば…。」
「え?ン?あ? チョット待って。え!いったいココどこ?」
「お客様がおっしゃったカシバですが…」
「カ、カシバ~? カシバって奈良のカシバ? ワシは大阪のカシマに行ってくれ言うたんやで。」
「えーーーっ!! 大阪ですかー!」
と言うことで香芝からまた高速を使って加島までの道のりを急いだのでした。
(夜中だろうが加島と香芝の景色は全く違いますから酔いもいっぺんに醒めたことでしょう)
【その2】
これも祗園から男性1名。「ナンタンのヤギまで。」と言われてやはり即爆睡されます。
起こすこともままならず、その若きドライバーは知っている「ヤギ」を目指しひた走ります。
しかし途中でいよいよ「ヤギ…ヤギ… でも最初に『ナンタン』て。。。何の事やろう???」と不安がマックスになり無線室に確認の電話を入れます。
「ナンタンのヤギって奈良県でいいんですよね?」
「違いますよ。南丹の八木は園部のほうですよ。」
「えーーーーーーっ!! マジですか!!!!!!」
となって、車を停めてお客様を起こし事情を説明します。
そこはもう京田辺です。(もっと早く確認しよう)
幸い、物わかりのいいお客様でそこから南丹の八木に向かったとのことでした。
こういった場合「いつもどのくらい料金でしょうか?」と尋ね、その額を頂戴することになります。
※ルートミスをしても実車中はメーターを切ることは法律で禁じられており、差額については原則自腹、未経験者の多い大手などは「空転処理」といって負担させないこともあります。
とにかく最初が肝心なのです。
カーナビがついていない時代はこの手の話は掃いて捨てるほどありました。
【オマケ】
これはもう論外というか笑うしかありません。
またまた祗園から男性1名。「シンアサヒまで行って、近くになったら起こして。」と爆睡突入。
ものの15分くらいで「お客様、着きましたので起きて下さい。」
「え… もう着い… え!ココって… 『第一旭』やないか! 新旭や新旭!湖西のシンアサヒに行ってくれ!誰がラーメン屋に行け言うた。」
乗務員の頭の中はもはや地名ではなくラーメン屋にすり替わっていたわけです。
知らないということは無敵であるという、そしてウソのようなホントの話でした。
掛見