まさかの詰め合わせ
「まさか」
語源については、「まさき(目先)」から転じたものとされる。
本来は名詞として使われ、目の前のこと、すなわち「現実」とか「現在」を意味する語だった。
ここから、「まさかの時(事が目前に迫ること、つまり緊急)」のような用法が派生し、さらに「よもや」という副詞用法が生じた。
これまでに挙げてきた内容と若干かぶりますが、私が「こんなこともあるんや。」と印象深い体験をお届けしたいと思います。(すべて夜勤)
【1.まさかの場所から】
まだ日付が変わってない時間帯に四条河原町付近から西京区の山田口という所にお送りし、中心部に戻ろうと住宅街のかなり狭いところを通過中、あるお家の玄関から若い男性が出てくるところを目にします。もうお家の垣根とクルマとはすれすれといった状況。
私はその男性のビックリした表情をみて急停止しドアを開けます。
「あ~、ちょうど良かった。おたくに電話かけても繋がらないので大通りまで歩こうと思ってたんです。」
行先は「四条河原町。」 ブーメランです。
もう褒美としてはこれ以上ないというかマンガみたいというか。。。
そのお家からスグ曲がり角でしたからほんの数秒のことでこのマッチングは成立してないことになります。
それにつけてもこんな場所で乗ってもらえるとは…
ラッキーを通り越して怖いぐらいのツキようだと思える体験でした。
【2.まさかの5人組】
私がこよなく愛したセドリック(乗客定員5)に乗務していたころの話です。
たしか10月ころだったと記憶しています。
無線で5人乗り指定の無線配車が入りました。
お迎え先は北区の某有名銭湯。
到着すると既にもう外でお待ちです。
妙齢の女性5人様。
行先は蹴上(けあげ)の旅館。
聞けば九州からのご一行で念願の銭湯にも行けたので皆さんテンションが^^;
セドリックに5人乗っていただくときは後部座席3、助手席(ベンチシート)に2。
前に乗られる私側、要するに真ん中の方と私は相当接近することになります。
若干運転のしずらさはありますが、それよりも気になることが…。
当たり前ですが5人とも湯上りです。それに髪も完全に乾いてません。
たちまち湯上りの女性特有の匂いが車内に充満。(男なら即KO)
湯気でフロント以外の窓が真っ白。(エアコンもKO)
それでもって全員旅館の白い部屋着。(旅先は大胆になるとはいえ… なんで… もう何回もKO笑)
いろんなものが混ざり合って私に襲いかかってきました笑
丁度一匹のスズメバチがミツバチの巣を襲うも反撃にでた大群に覆いかぶさられ熱でやっつけられるのと同じ状態です笑
しだいに「こんな仕事ってある?もしかしてドッキリ?」と言う感覚に。
ここは温泉地ではありません。
京都市内でまさかこんな仕事に出会えるとは。
この状況なら男性ドライバーで平静を装える者は存在しません。そんな仕事でした笑
【3. まさかの代打登場】
右京区は梅津というところの居酒屋さんに無線で呼ばれます。
お店の方に到着をお伝えすると
「え!?今さっきクルマ来てお客さん乗っていかはったで~。」と軽い返事。
よくあることです。(配車側のミスか店側のWブッキングかは不明)
「あ、わかりました。それでは離れさせていただきます。」
(こういう場合アッサリと引き揚げます。人間ができています笑)
すると「あっ、私そのタクシーに乗りたい!」という声が。
若い女性1名が「いいですか?」と。(いいに決まってます)
「チョット遠いですけど醍醐までお願いします。」(おお~っ!!)
これはもうツイてる以外の何ものでもありません。
キャンセルが一転、大化けしました。(4000円台前半でした)
これもそうそうある事ではありません。たしかこの日はけっこうなスコアで帰ったはず。
これだけツイていて平凡な数字で終わっていてはタクシーの神様に合わせる顔がないってなもんです。
本当に色んな出会いがあります。
でもこの3つに類似するラッキーなことというのはこれ以降ありません。
もちろん良いお客様ばかりですが特に珍しい(鮮明に思い出せる)3選をお送りしました。
私は「一期一会」であるこの仕事に出会えたこと自体がラッキーだと思っています。
掛見